帰宅途中に郵便局前を
通りかかろうとしたときのこと
佐川急便のお姉さんが
目が見えないらしい白杖のお爺さんを
ガイドしながら郵便局に向かって
ゆっくりと寄り添って歩いてた。
忙しいなかに違いないのに
ゆっくりゆっくり歩いてる。
笑顔で。
郵便局の入り口までは
スロープか階段を使って
少し上がらないといけない。
スロープに案内して
問題なくあがれそうなところで
2人は挨拶をしたようで、別れた。
でも、佐川のお姉さんは
少し離れたところで振り返り
入り口に入るお爺さんを見守ってた。
お爺さんは、入り口につくと
外の方に向き直って、お姉さんに
「ありがとうございましたーー」
て大きな声で挨拶して
お姉さんも何か返答していた。
毎日重苦しい事件やできごとが
ニュースでも日常でもあるけれど
優しい人たちが存在していることを
目の当たりにして、わたしは
うるっときて、世界はまだまだ
うつくしいと思った。